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合併の代償:日産全金プリンス労組の闘いの軌跡

合併の代償:日産全金プリンス労組の闘いの軌跡』を軸に

伊原亮司(岐阜大学准教授)著

少数派として闘い・働いた人たちの跡形(あとかた)をとおして、日産という会社のもうひとつの相貌(かお)を描く労働現場からみた日産側面史!

  • A5判/上製/374頁
  • ISBN978-4-905261-44-5
  • 本体3800円+税

編者の言葉

組織の「物語」は、力を持つ者により一面的につくられてきた。わたしは、本書により「正しい物語」に書き換えた、というつもりはない。しかし、日産という日本有数の大企業を少数派から捉え直すことにより、微力ながらも、閉ざされた組織を社会に開かせるきっかけになり、企業をはじめとする組織を「社会の公器」たらしめる一助になればと思っている。 

目次

  • はじめに
  • 第1章 日産とプリンスの合併:経緯と背景
  • 第2章 合併にともなう問題:異なるナショナルセンター傘下の労働組合
  • 第3章 暴力と差別
  • 第4章 少数派組合の「反撃」:法廷闘争を中心に
  • 第5章 少数派の中の少数派の取り組み:女性組合員の活動
  • 第6章 働く場における「存在感」
  • 第7章 労働戦線の再編成:「連合」の誕生と全金日産支部の再分裂
  • 第8章 全面解決闘争と「和解」
  • 第9章 市場原理に基づく「改革」と2つの労働組合の反応
  • 第10章 「改革」の犠牲者の支援:組織のウチとソトをつなぐ
  • 第11章 会社人間とも独立独歩とも異なるキャリア:「社会」に足場を持つ
  • 終章 最後の組合員
  • 補章 職場をつくる労働組合
  • おわりに:誰もが「少数派」になりうる時代に

著者

伊原亮司(いはら・りょうじ)

一橋大学商学部卒業
一橋大学社会学研究科博士後期課程修了(社会学博士)
現在 岐阜大学地域科学部准教授

著書
『トヨタの労働現場:ダイナミズムとコンテクスト』(桜井書店,2003年)
『私たちはどのように働かされるのか』(こぶし書房,2015年)
『トヨタと日産にみる〈場〉に生きる力:労働現場の比較分析』(桜井書店,2016年)
『ムダのカイゼン,カイゼンのムダ:トヨタ生産システムの<浸透>と現代社会の<変容>』(こぶし書房,2017年)
『合併の代償:日産全金プリンス労組の闘いの軌跡』(桜井書店,2020年)
共訳書
共訳 デービッド・F・ノーブル『人間不在の進歩』(こぶし書房,2001年)