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エコロジカル・マルクス経済学  長島誠一著
エコロジカル・マルクス経済学

エコロージーの危機と21世紀型経済恐慌を経済学はどう解決するか!
マルクス経済学の現代的課題とエコロジカル社会主義の可能性を、マルクス=エンゲルスのエコロジー論、日本とアメリカの「環境の政治経済学」に学び探求する。

A5判/上製/240頁
ISBN978-4-921190-63-7
本体3200円+税
発行
初刷:2010年4月5日

著者の言葉

本書は、環境問題を唯物史観のなかに取り入れ,唯物史観を創造的に発展させることを目標としており,環境それ自身を直接の対象にはしない。(中略) また公害や環境問題を政治経済学の立場から全面的に論じた成果は,わが国ではたとえば,都留重人『公害の政治経済学』や宮本憲一『環境経済学』として存在している。これらの先学の書物に学びながら,本書は,自然と人間と社会と思想の相互関係と全体構図(唯物史観)のなかで環境問題を理論的に考察しようとする試みである。いいかえれば,厳しい環境破壊に直面している現代資本主義社会を,マルクス=エンゲルスの作業仮説であった唯物史観の側面から光をあて,そしてその解決の方向はやはり彼らが展望した社会主義・共産主義であることを,明らかにしたい。

このような問題意識からすれば,マルクスは環境問題を軽視ないし無視していたとのエコロジストたちからの批判に反論し,マルクスとエコロジーを結びつけようとするアメリカ合衆国のマルクス主義者たちの最近の研究成果(エコロジカル・マルクス主義やエコロジカル社会主義)から多くを学ばなければならないと考える。

目次
  • 序 章 エコロジーと唯物史観
  • 第1章 マルクス経済学の課題
  • 第2章 自然と人間--唯物史観と生態史観
  • 第3章 資本主義と生産条件--体制による素材の包摂
  • 第4章 資本蓄積の矛盾と環境危機
  • 第5章 エコロジカル社会主義の理論
  • 第6章 エコロジカル社会主義の運動
  • 第7章 社会主義への多様な道
  • 補論1 成長の臨界点の可能性--GPI(真の進歩指標)分析を中心として
  • 補論2 さまざまな社会主義論
著者
長島誠一(ながしま・せいいち)

東京経済大学教授
1941年,東京に生まれ、疎開先の福島で育つ。
1965年,一橋大学経済学部卒業。
1970年,同大学院経済学研究科単位修得・満期退学。
一橋大学助手,関東学院大学専任講師を経て、現職。

著書