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フランス資本主義-戦間期の研究  玉田美治著
フランス資本主義-戦間期の研究

二つの大戦をへて、いまEUを牽引するドイツとフランス、その両国の1920年代と30年代に焦点を当てる。

2冊同時発売!
<ドイツ資本主義─戦間期の研究はこちら>

A5判/上製/286頁
ISBN4-921190-36-4
本体4800円+税
発行
初刷:2006年9月1日

出版社より

本書は、二つの大戦をへて、いまEUを牽引するフランス資本主義の1920年代と30年代に焦点をあてたものです。

本書と、同時に刊行いたしました戸原四郎著『ドイツ資本主義-戦間期の研究』とは、ともに故 宇野弘蔵先生監修の『講座・帝国主義の研究-両大戦間におけるその再編成』(全6巻の予定で、青木書店から1973年に刊行開始)に収録するために執筆されたものです。

著者・玉田美治先生は執筆途中に病を得て、1980年6月に他界されましたが、玉田先生の友人であり上記講座の共著者でもあった戸原四郎先生が、玉田先生の遺志を継がれ、すでに書き上げられていた諸章に草稿類を加えて編集し、その完成を目指されました。

その戸原先生も病に見舞われ、2004年10月に他界されましたが、先生は病床でも編集作業を続けられ、それをほぼ完成するところまで進めておられました。

戸原先生の遺志は、つね子夫人に引き継がれ、専門研究者の協力も得て、ここに公刊される運びにいたった次第です。

くわしくは、本書の「編者あとがき」(戸原四郎・戸原つね子・工藤 章執筆)に記されています。

2006年8月  桜井 香

目次
  • 目 次
  • 図表目次
  • 序章
  • 第1章 フランス資本主義の自由主義時代
    • 第1節 資本主義の興隆
    • 第2節 産業革命の完成 繊維工業/石炭鉱業/製鉄業
    • 第3節 産業資本の蓄積構造
    • 第4節 株式銀行の登場
    • 第5節 フランス経済の対外発展
  • 第2章 帝国主義段階のフランス資本主義
    • 第1節 概況
    • 第2節 工業の発展 繊維工業/鉄鋼業
    • 第3節 株式銀行の発展
      1. 大不況下の株式銀行
      2. 銀行信用制度の確立
      3. 事業銀行の再発展
      4. 有価証券の時代
    • 第4節 資本輸出の展開
    • 第5節 経済政策の新展開
      1. 関税政策
      2. 植民地政策
      3. 社会政策
      4. 財政政策
    • 第6節 フランス帝国主義の特質
  • 第3章 両大戦間期のフランス資本主義
    • 第1節 第一次大戦とその直接的諸結果
      1. 大戦下のフランス経済
      2. ヴェルサイユ条約の経済条項
      3. 労働運動の一時的高揚
    • 第2節 1920年代-フランス経済の再興隆とその限界
      1. 復興財政とフラン危機 復興財政/インフレとフラン危機/フランの安定
      2. 工業の発展 概観/綿工業/鉄鋼業/エネルギー産業/機械・電機・化学工業
      3. 金融制度の変貌 公的金融機関の発展/商業銀行の発展/事業銀行の発展
      4. フランス金融資本の確立と限界
    • 第3節 1930年代-世界恐慌と人民戦線
      1. フランスにおける世界恐慌
      2. 恐慌初期の対策
      3. 人民戦線の経済政策
  • 付論 国家独占資本主義へのフランスの道-人民戦線、ヴィシー体制、「解放」と復興-
    • 第1節 問題
    • 第2節 改革
      1. 労働・社会立法
      2. 国有化
    • 第3節 計画
  • 編者あとがき  戸原四郎・戸原つね子・工藤 章
  • 人名索引
  • 事項索引
著者
玉田美治(たまだ・よしはる)

1932年8月,岐阜県に生まれる。
1956年3月,東京大学経済学部卒業
1962年6月,東京大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学
総理府経済企画庁調査局、信州大学助教授(教養部、人文学部)を経て、
1977年8月,信州大学教授(人文学部、後に経済学部)
1980年6月20日,死去

主要業績
  • 「貨幣と資本」(鈴木鴻一郎編『信用論研究』(法政大学出版局,1961年,新装本1971年)
  • 「アメリカ国家独占資本主義」(大内力編『現代資本主義の運命』(東京大学出版会,1972年)
  • 「国家独占資本主義へのフランスの道」(日高普・大谷瑞郎・斎藤仁・戸原四郎編『マルクス経済学 理論と実証』(東京大学出版会,1978年))