新刊リスト| 既刊リスト| 季刊・経済理論リスト| 近刊予定
*ご注文いただく前にお読みください
季刊・経済理論 第59巻第1号(2022年4月)特集◎コロナ禍と現代資本主義
季刊・経済理論第59巻第1号

経済理論学会編

B5判/並製/116頁
ISBN978-4-905261-57-5
本体2000円+税
発行
2022年4月20日

目次

[特集◎特集◎コロナ禍と現代資本主義]

  • コロナ禍の日本経済:ポスト・ケインジアンの視点からのマクロ経済分析  内藤敦之
  • 「グローバリゼーション」に対するCOVID-19のインパクト  竹野内真樹
  • 岐路に立つ日本の医療需給体制  阿部浩之

[論文]

  • 資本形式論の方法  海 大汎
  • 商品集積体と債権化から信用貨幣を導出する新しい価値形態論:or の関係で結びついた商品集積体を基礎として  岩田佳久

[書評]

  • 田添篤史著『投下労働量からの日本経済分析』  金江 亮
  • 森田成也著『「共産党宣言」からパンデミックへ』  佐々木隆治
  • 斎藤幸平著『人新世の「資本論」』  藤岡 惇

経済理論学会 第69回大会報告

経済理論学会 第69回大会報告(英文)

経済理論学会 第69回大会分科会報告

経済理論学会 2021年度会務報告  代表幹事 河村哲二

第12回(2021年度)経済理論学会奨励賞  奨励賞選考委員会

第13回(2022年度)経済理論学会奨励賞募集要項  奨励賞選考委員会

第7回(2020年度)経済理論学会ラウトレッジ国際賞  国際賞選考委員会

第9回(2022年度)経済理論学会ラウトレッジ国際賞推薦依頼.  国際賞選考委員会

2022年度 経済理論学会第70回大会の開催について  大会準備委員会

論文の要約(英文)

刊行趣意・投稿規程

編集後記  田添篤史

編集後記

本号は、昨年の10月16〜17日に開催された経済理論学会第69回大会(北星学園大学)の特集号です。前回大会に引き続いて、オンラインでの開催となりました。このような中で「コロナ禍と現代資本主義」を共通論題とし、新型コロナウィルスの感染拡大が現代資本主義の構造と動態に及ぼす影響をめぐって活発な議論が交わされました。本号では、内藤敦之会員、竹野内真樹会員、阿部浩之会員による報告、および討論の記録を収録しています。このほか、第69回大会報告、分科会報告、会務報告、奨励賞報告、ラウトレッジ国際賞報告を収録することにより、第69回大会の概要をお伝えしています。

共通論題報告を踏まえた本号掲載論文において、内藤会員は、ポスト・ケインズ派の視点から日本経済が直面する構造的問題について論じています。竹野内会員は、感染拡大がグローバリゼーションに及ぼす長期的な影響について考察しています。また阿部会員は、資本主義における医療サービスの特質に焦点を合わせつつ、今日の医療体制のあり方を問うています。いずれの報告も社会的・歴史的な視野を広く踏まえたものであり、新型コロナ問題に関して本学会ならではの問題提起がなされていると言えるでしょう。これら三つの論文のいずれにおいても同じく問題とされているのは、市場と国家の関係をどのように再構築していくのかということです。コロナ禍のなかで、経済や社会の安定のためには国家の適切な介入が欠かせないということが、あらためて多くの人々によって認識されることになりました。今後は、経済問題の解決のために国家が果たすべき役割をめぐって、広範な議論が展開されていくことになりそうです。

思い起こせば、1980年代以降、新自由主義政策のもとで国家の経済的役割が縮小され、その結果、所得格差の拡大や金融危機の頻発など、さまざまな経済的・社会的弊害がもたらされることとなりました。その矛盾が限界に達したのが2008年の世界金融危機でした。しかしそれを境として、時代の潮目が変わったように思います。2019年には、アメリカの経営者団体であるビジネス・ラウンドテーブルが「株主資本主義」との訣別を宣言し、「ステークホルダー資本主義」への転換を呼びかけました。バイデン政権は、大規模な財政支出によって持続的な経済成長と所得再分配の実現をめざしています。そして日本では、岸田文雄首相が「新しい資本主義」を標榜し、「新自由主義からの転換」を主張しています。また経団連の十倉雅和会長は、「社会的共通資本」の構築を通じた「サスティナブルな資本主義」の実現を唱えています。長年にわたって新自由主義の路線を推進してきた政府・財界による反省の「本気度」が、これから問われることになるでしょう。

その一方で、理性的な計画と介入を通じて経済の安定と発展をはかろうとする政治経済学の諸潮流もまた、自らの真価を問われる局面に差しかかっています。今後は、新自由主義批判にとどまることなく、資本主義をどう変革するかの明確な構想と戦略を示すことが、政治経済学の伝統に連なる諸学派にとっての重要課題となることでしょう。時代の底流をとらえ、現代の資本主義に鋭く切り込むとともに、明日への展望を開こうとする意欲的な論文の投稿をお待ちしています。

(鍋島直樹)

 
編集委員

委員長

  • 鍋島直樹(名古屋大学)

副委員長

  • 宮嵜晃臣(専修大学)

編集委員

  • 阿部太郎(名古屋学院大学)
  • 泉 正樹(東北学院大学)
  • 田添篤史(三重短期大学)
  • 羽島有紀(駒澤大学)
  • 森本壮亮(立教大学)
  • 村上研一(中央大学)
  • 吉田博之(日本大学)
  • 吉村信之(信州大学)

経済理論学会について詳しくは、同学会のホームページ
http://www.jspe.gr.jp/
をご覧ください。