- 季刊 経済理論 第43巻第1号(2006年4月) 特集◎新自由主義と現代社会の危機
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経済理論学会編
B5判並製/122頁
ISBN4-921190-88-7
定価2100円(本体2000円+税)
発行
2006年4月20日 - 目次
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[特集◎新自由主義と現代社会の危機]
- 新自由主義の限界と福祉国家の可能性岡本英男
- 現代資本主義の多様性と「社会」的調整山田鋭夫
- 平等と不平等の経済学--新自由主義的「平等」と福祉国家的「平等」の対立新村 聡
[特別寄稿]
- 新自由主義と新帝国主義ジェラール・デュメニール/ドミニク・レヴィ 訳=河村哲二/関根友
[論文]
- 「通約不可能性」で「計算論争」を再考する--クリティカル・リアリズムによるノイラート評価鈴木英規
[海外学界動向]
- 「朴正熙体制」の経済的成果に関する韓国マルクス経済学界の論争鄭淵沼
- グローバリゼーションの政治経済学に関する国際フォーラムに参加して横内正雄
[書評]
- 井村喜代子著『日本経済--混沌のただ中で』二瓶 敏
- 大内秀明著『恐慌論の形成--ニューエコノミーと景気循環の衰減』八尾信光
第53回大会報告
第53回大会分科会報告
会務報告
論文の要約(英文)
刊行趣意・投稿規定
編集後記(菅原陽心)
- 編集後記
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43巻 季刊・経済理論の編集委員長を務めます新潟大学の菅原陽心です。これから、1年よろしくお願い申し上げます。と申し上げましても、雑誌の編集は、大会特集の本号を担当し、2,3,4号はその特集にふさわしい編集委員が担当となります。43巻は本号が大会特集号「新自由主義と現代社会の危機」で、以下、2号「グローバル資本主義の構造」、3号「現代資本主義と公債累積」、4号「労働の<現在>」(仮題)という特集の企画をたてました。それぞれに魅力的で、かつ、本学会ならではという特集になるのではないかと思っております。
編集委員会では、投稿論文に関する業務と同じような重さで、特集の企画立案に取り組んでおります。どのようなテーマを取り上げるべきかということについては、今日の状況や経済理論学会機関誌としての使命など多様な観点から議論し、検討をします。しかも、編集委員だけの作業では、狭い範囲の検討しかできないのではないか、また、十分な議論を尽くされているのかという危機意識を持ちながら、議論しております。そこで、内部で議論をすると共に、会員の方々からのご意見をくみ上げることや、幹事の方々に意見を求めることなどさまざまな努力を払っております。しかしながら、実際のところは、編集委員会の外からの提案はみられず、編集委員会で四苦八苦しながら、特集をひねり出しているというのが現状です。この辺りの所については、もう少し工夫の余地があると思っており、たとえば、幹事会での編集委員会報告のあり方を改善するなど、地道な努力を続けているところです。テーマについてのご意見や、こうした工夫についてのご意見を直接いただければ幸いです。そうした土台が与えられてこそ編集委員会は自立性を保ちながら、良い仕事をすることができるのではないかと思っております。
投稿論文につきましては、今号は残念ながら1本の掲載で刊行ということになってしまいました。また、いろいろな分野からの論文の投稿を期待しているのですが、やや、特定分野に偏っているという傾向も否めません。毎号同じようなお願いをしておりますが、幅広い領域から多数の会員・非会員の方からの投稿をお願いする次第であります。投稿規定に明記されておりますように、3月、6月、9月、12月の編集員会で投稿論文についての検討を行いますので、それぞれの月初め10日を締め切りと考えていただきたいと存じます。本雑誌が季刊化され、丸2年が経過しましたが、投稿論文については手探り状態が続きます。42巻では、一昨年の12月の締め切りには多数の投稿論文が寄せられたと思うと、それ以外は少ないという波がありました。43巻では、いまのところ波が少なくなってきたという感触がありますが投稿数は低い水準です。厳しいレフェリー判定が待ち受けていることを考えると、少なくとも現在の倍くらいの投稿数がほしいと思っている次第です。
21世紀に入り、今、人類は新たな局面を模索する「大転換」を迎えている時期なのではないか、そして、こうした時期にこそ、本学会の学問蓄積は大いに生かすことができるのではないかと私は思っております。本誌が新たな時代を切り開いていくその中心となるというような希望・夢想を抱きつつこれから編集委員長を努めてまいりたいと思います。まず、本誌を中心に活発な論争が巻き起こる状況を作っていこうではありませんか。
(菅原陽心)
- 編集委員
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委員長
- 菅原陽心(新潟大学)
副委員長
- 屋嘉宗彦(法政大学)
委員
- 青才高志(信州大学)
- 出雲雅志(神奈川大学)
- 北川和彦(立教大学)
- 佐藤良一(法政大学)
- 二瓶 敏(専修大学・名誉)
- 萩原伸次郎(横浜国立大学)
- 松本 朗(立命館大学)
- 吉原直毅(一橋大学)
経済理論学会について詳しくは、同学会のホームページ
http://www.jspe.gr.jp/
をご覧ください。