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季刊 経済理論 第42巻第1号(2005年4月)  特集◎現代と市場-経済学は市場をどう見るか-
季刊・経済理論第42巻第1号

経済理論学会編

B5判並製/124頁
ISBN4-921190-84-4
定価2100円(本体2000円+税)
発行
2005年4月20日

目次

[特集◎現代と市場-経済学は市場をどう見るか-]

  • 市場と資本主義の関係についての史的唯物論的理解について大西 広
  • 平等性と効率性の両立性--現代ポリティカル・エコノミーと市場佐藤良一
  • 現代資本主義における雇用関係の変容と市場個人主義森岡孝二

[特別寄稿]

  • グローバル化か、脱国民国家化か?サスキア・サッセン/訳=河村哲二

[論文]

  • 船舶技術における内的発達法則--「労働における動力と制御の矛盾」の貫徹斎藤正美
  • 『経済学批判』における人格の物象化と『資本論』における労働の物象化
    --史的唯物論および労働価値説と関連して横山章祐

[海外学界動向]

  • 第4回国際マルクス会議に参加して竹永 進

[書評]

  • 大西 広著『グローバリゼーションから軍事的帝国主義へ--アメリカの衰退と資本主義世界のゆくえ』後藤康夫
  • 宇仁宏幸・坂口明義・遠山弘徳・鍋島直樹著『入門 社会経済学』大野 隆
  • 加藤榮一・馬場宏二・三和良一編『資本主義はどこに行くのか--二十世紀資本主義の終焉』加藤國彦
  • 置塩信雄著『経済学と現代の諸問題--置塩信雄のメッセージ』長田 浩

第52回大会報告

第52回大会分科会報告

会務報告

論文の要約(英文)

刊行趣意・投稿規定

編集後記(大西 広)

編集後記

第42巻の編集委員長として今号からの4号の編集を任されることになりました大西です。編集委員会の慣わしにより昨年1年間は副委員長として「見習い」をして来たはずですが、委員長となってその事務量の多さにびっくりしています。季刊化初代委員長の植村高久さんがどれほど大変な事務量をこなしておられたかを今になって知ったという訳です。

冒頭から編集委員長の苦労話で恐縮ですが、編集委員長に事務が集中するには理由があります。それは、論文投稿者の名前が委員長以外には分からないようにしかつ逆に差読者の名前も編集委員会内に留める為に、投稿受理と査読者との論文・査読結果のやり取りのすべてを委員長経由でしているからです。このため、例えば昨年12月に受理した17本の論文(審査能力の問題で実質受理をしなかった1本を除く)については、投稿者本人、2名の差読者および編集委員内の担当者合わせてのべ68名とのやり取りをしています。審査の結果、書き換えや再投稿となると更に何重かの手続きが加わります。私の関わる他の学会では査読に関わる匿名性の管理はもう少し緩くなっていますが、本学会では厳格に管理するという方針でやっている為です。会員、読者におかれてはこうした努力についてご理解いただけるなら幸いです。

ただ、それでも、私どもの査読システムが完全完璧なものとなっているかどうかは私自身もまだまだ自信がありません。査読者の評価をより客観的なものとする為、査読結果は今年から独創性、先行研究のレビュー、首尾一貫性、誤読・誤解の有無、挙証の適切さ、論点の重要性といった6つの項目ごとにも出して頂くよう改善をしていますが、異なる理論的系譜に属する論文を査読者がどう評価するかといった問題はまだ未解決の課題としてあり、その結果、同じ論文が二人の差読者によってまったく異なる評価を受けるというようなケースがいくつも発生しています。近代経済学のフィールドでは理論の標準化が進んでいるため、評価のブレが少なくなっていると思われますが、私どもでもそれが可能なのかどうか、あるいはそれをすべきなのかどうかは編集委員会の能力と権限を超える問題として残っています。このことは是非一度幹事会のイニシアチブの下で議論していただければと希望いたします。

ともかく、こうした問題があっても、この間、投稿論文が増える傾向にある事は大変喜ばしいことです。季刊化によって増える紙数を一挙に投稿で埋められないと判断し、編集委員会では昨年度は毎号5本程度の依頼原稿を組織してそれを「特集」という形で掲載して来ましたが、こうした投稿論文の増加傾向を踏まえて次々号からは依頼する特集論文の数を3本に縮小し、投稿中心の編集に切り替えようと考えています。また、今号から投稿論文を「海外学界動向」よりも前に掲載することとし、さらに論文末尾に受理日と採択日を記すこととなりました。

こうした訳で、『季刊・経済理論』は今までよりもより投稿に重きを置いた雑誌にして行きたいと編集委員会では考えています。その趣旨から従来より一層積極的な投稿を期待しています。

(大西 広)

編集委員

委員長

  • 大西 広(京都大学)

副委員長

  • 菅原陽心(新潟大学)

委員

  • 青才高志(信州大学)
  • 宇仁宏幸(京都大学)
  • 北川和彦(立教大学)
  • 佐藤良一(法政大学)
  • 竹永 進(大東文化大学)
  • 芳賀健一(新潟大学)
  • 萩原伸次郎(横浜国立大学)
  • )
  • 松井 暁(立命館大学)

経済理論学会について詳しくは、同学会のホームページ
http://www.jspe.gr.jp/
をご覧ください。