中国現代史の散歩道:歩き、見る、聞く、語り合う

姫田光義(中央大学名誉教授)著
中国近現代史・中国共産党史研究の達人が、調査・研究や友好運動で訪れた中国各地の様子・触れ合った人々の素顔を、その時々にしたためた記録・エセー集。
- 四六判/並製/200頁
- 本体1500円+税
- ISBN978-4-905261-51-3
- 初刷:2022年6月6日
著者の言葉
目次
- はじめに:研究者・教育者として歩いた道
-
上海、延安、革命根拠地、経済特区を歩き、見る、聞く、語り合う
- 夕暮れの外灘:上海雑感1
- 劇場にて:上海雑感2
- 歴史遺跡をもとめて:上海雑感3
- 人間点描:上海雑感4
- 延安とオットー・ブラウンのこと
- 中国の革命根拠地(ソヴェト区)を歩く
- 深せん記:中国最大の経済特別区の生成・発展・“消滅”
- 歴史のなかの経済特区
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中国管見
- ウミは広いな大きいな:歴史研究者は船で旅すべし
- イナカのバスはオンボロ車(?!) :地についた中国研究を
- 毛さん、あなたの延安はどこに行ったのでしょうね:聖地の恋
- 毛さん、あなたの延安はどこに行ったのでしょうね:聖地の恋(続)
- 終わらざる戦争: “撫順の奇蹟”と方正県日本人公墓
- 遥かなる山河に:近すぎて見えないこともある
- 霧社の思い出:大陸の「六・四」に追われて台湾へ
- 歴史家は神様(!?):意識せざるその宿命
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懐かしい偉大な中国人たち:陳平・趙安博・沙飛・歩平・魏宏運さん
- 陳平さんと歩き聞く:日本軍による「無人区化」された村々
- 趙安博さんに聞く:日中関係史の一断面
- カメラで戦った中国人:沙飛(さひ)の愛と悲劇の生涯
- 歩平さんと魏宏運さんの思い出
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歴史研究者として語り歌う:「撫順の奇蹟」といわれる歴史事実を世界記憶遺産に
- 日中間に広がる奇蹟の花・撫順の朝顔:夢にまで見た北京公演が実現して
- 世界記憶遺産に「撫順の奇蹟」を!:中国・東北大学での講演記録
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学生に語り続けてきたこと:歴史研究と中国革命史
- 今、なぜ歴史学か
- 文革半世紀、何が変わり何が変わらなかったのか:私的経験から「撫順の奇蹟」へ
- あとがき:少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず
著者
姫田光義(ひめた・みつよし)
1937年 神戸市生まれ
中央大学名誉教授
「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」代表
「NPO中帰連平和記念館」理事
「再生の大地合唱団」団長
「旧陸軍登戸研究所」保存の会共同代表
- 『中国の政治と林彪事件』(日中出版, 1975年)
- 『中国現代史の争点: 政治闘争と「歴史の書き換え」』(日中出版,1977年)
- 『中国革命に生きる:コミンテルン軍事顧問の運命』(中公新書,1987年)
- 『中国近現代史 上下』(共著)(東京大学出版会,1982年)
- 『もうひとつの三光作戦』(共著)(青木書店,1989)年
- 『中国 民主化運動の歴史』(青木書店,1990年)
- 『中国20世紀史』(共著)(東京大学出版会,1993年)
- 『「三光作戦」とは何だったか: 中国人の見た日本の戦争』(岩波書店,1995年)
- 『日中戦争下中国における日本人の反戦活動』(共著)(青木書店,1999年)
- 『東アジア・北東アジア: 中華世界の内と外なる〈南〉』(編著)(大月書店,1999年)
- 『中国革命史私論:「大同の世」を求めて』(桜井書店,2000年)
- 『林彪春秋』(中央大学出版部,2009年)
- ほか
本書は何十年も前からの「記録」の再録が中心で、それに若干付け加えたものです。自分で書いたものなのに、なに、これ、面白いじゃない(!)って感覚と同時に、なに、これ、変だよ、時代遅れで、現代とズレてるよ(!)って感覚とが交互に脳裏に浮かびます。……いずれにせよ、時代遅れの「時代」こそ、歴史なんだから、歴史研究者の端くれに繋がっていた者としては、その「時代相」を記録しておくのも多少は後世の人たちにお役に立つのでは(!?)と身勝手に考えて、敢えてここに恥をさらすものです。自画自賛と自我悲惨の複雑な心境です。