資本主義動態の理論:景気循環と構造変化

宮澤和敏(広島大学准教授)著
資本主義の動態と社会的再生産の再編
グローバルな構造変化が進行しつつある今日、社会的再生産の構造変化が資本主義の動態に及ぼす作用を、不均衡の調整過程にそくして理論的・歴史的に明らかにする。
- A5判/上製/408頁
- ISBN978-4-905261-48-3
- 本体4500円+税
- 初刷:2021年6月1日
編者の言葉
目次
- まえがき
- 序章 資本主義動態論の課題と方法
- 第1節 段階論と資本蓄積論
- 第2節 歴史的条件の取り扱い
- 第3節 資本主義動態の法則性
- 第1部 資本蓄積の循環的変動
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第1章 資本蓄積と部門規模の調整
- 第1節 再生産表式と均等拡大
- 第2節 資本移動の制約
- 第3節 部門間取引を通した調整
- 第4節 固定資本ストックの調整
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第2章 利潤率均等化と固定資本投資の盛衰
- 第1節 現象としての好況と不況
- 第2節 商品過剰説における均等拡大
- 第3節 調整過程の非対称性
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第3章 社会的再生産と信用貨幣の供給機構
- 第1節 信用創造の再生産論的基礎
- 第2節 固定資本投資と長期資金の媒介
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第4章 自由主義期の景気循環
- 第1節 自由主義期イギリスの諸指標
- 第2節 各景気循環の概要
- 第2部 構造変化の長期的動態
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第5章 不況と長期停滞
- 第1節 資本過剰説の不況論
- 第2節 帝国主義段階の市場像
- 第3節 停滞の原因
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第6章 技術革新と構造変化
- 第1節 技術革新と雇用量の変動
- 第2節 技術革新と利潤率の変動
- 第3節 構造変化の現実的動態
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第7章 構造変化の歴史的考察
- 第1節 綿工業の機械化と19世紀前半イギリス経済の構造変化
- 第2節 「製鋼革命」と19世紀末イギリス「大不況」
- 第3節 「動力革命」とアメリカ大恐慌
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第8章 産業予備軍の長期的変動
- 第1節 資本蓄積論の射程
- 第2節 資本構成不変の蓄積と資本主義的生産
- 第3節 資本構成の変化と産業予備軍
- 第4節 資本蓄積の重層的動態
- あとがき
- 参考文献
- 索引
著者
宮澤和敏(みやざわ・かずとし)
1964年 静岡県に生まれる
1987年 東京大学経済学部卒業
1992年 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学
東京大学経済学部助手、茨城大学人文学部講師・助教授を経て
現在 広島大学大学院人間社会科学研究科准教授
博士(経済学:広島大学)
著書
- 『市場経済の学史的検討』(共著,社会評論社,1993年)
- 『経済学史』(共著,有斐閣,1996年)
- 『資本主義原理像の再構築』(共著,御茶の水書房,2003年)
- 『マルクス理論研究』(共著,御茶の水書房,2007年)
資本主義経済ではなぜ不況や長期停滞が生ずるのか。一見、調整作用が働いていないかにみえるこうした現象は、むしろ資本主義に特徴的な不均衡の調整作用がもたらす事態である。本書は、諸部門の不均等拡大を通して進む調整過程に焦点を当てて、資本主義動態の特質を解明する。