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なるほどマル経:時の流れを読む経済学

なるほどマル経:時の流れを読む経済学

鳥居伸好(中央大学教授)著

マルクス経済学(マル経)のA to Z
基礎概念と理論の核心部分を70の設問形式で説き・解き明かす。

  • A5判/並製/132頁
  • ISBN978-4-905261-45-2
  • 本体1700円+税

編者の言葉

「マル経」といっても、今ではなかなか通じないかもしれません。マルクス経済学を「マル経」、近代経済学を「近経」と呼んで、どちらに軸足を置いて学ぼうかという選択肢があったのは、今は昔の話になりました。マルクス経済学の存在感が薄れてきている今日において、なぜ今マルクスなのかが問われています。その問いを意識して付けたタイトルが、「なるほどマル経」です。

副題の「時の流れを読む経済学」は、マルクス経済学をそのように捉えることができるという、私の「マルクス経済学観」を示したものです。……「時の流れを読む」ためには、時の流れに流されないブレない「軸」が必要です。本書が、「時の流れを読む」ための一助となることを願っています。 

目次

  • まえがき
  • 凡例
  • マルクス経済学の諸特徴について
    • 【1】マル経の特徴は、何ですか。
    • 【2】マル経は、なぜ「歴史科学としての経済学」といえるのですか。
    • 【3】弁証法的方法と経済学とは、どのように関係するのですか。
    • 【4】資本主義の基本的矛盾とは、どのようなものですか。
    • 【5】マル経は、なぜ社会主義や共産主義とつながりがあるのですか。
  • 商品について
    • 【6】マル経は、なぜ商品から考察をはじめるのですか。
    • 【7】商品とは、どのようなものですか。
    • 【8】労働の二重性とは、どのようなものですか。
    • 【9】商品の価値と労働との関係は、どのようになっていますか。
    • 【10】商品の価値と価格との関係は、どのようになっていますか。
    • 【11】商品の物神性または商品の「力」とは、どのようなものですか。
    • 【12】商品の物神性や「力」の影響を、どのように考えればよいのですか。
  • 貨幣について
    • 【13】貨幣とは、どのようなものですか。
    • 【14】貨幣による価値尺度の役割とは、どのようなものですか。
    • 【15】貨幣の流通手段機能とは、どのようなものですか。
    • 【16】蓄蔵貨幣は、どのような役割を担うのですか。
    • 【17】支払手段機能とは、どのようなものですか。
    • 【18】流通必要貨幣量は、どのようにして決まるのですか。
    • 【19】国家紙幣と銀行券とは、どこがどのように違うのですか。
    • 【20】インフレーションの基本的な仕組みとは、どのようなものですか。
    • 【21】デフレの何が問題なのですか。
    • 【22】世界貨幣とは、どのようなものですか。
  • 資本の価値増殖の仕組みについて
    • 【23】資本とは、どのようなものですか。
    • 【24】労働力が商品となることの意味は、何ですか。
    • 【25】資本の運動と労働力商品の使用価値との関係は、どのようになっていますか。
    • 【26】資本の価値増殖の仕組みは、どのようになっているのですか。
    • 【27】剰余価値とは、どのようなものですか。
    • 【28】労働力商品の価値を生み出す労働は、どのようなものですか。
    • 【29】労働時間の延長と剰余価値生産との関係は、どのようになっていますか。
    • 【30】労働の「搾取」は、どのようになっているのですか。
    • 【31】標準労働日の要求は、今でも必要なのですか。
    • 【32】機械化と剰余価値生産との関係は、どのようになっていますか。
    • 【33】剰余価値率とは、どのようなものですか。
  • 労働力の価値と賃金について
    • 【34】労働力商品の価値と賃金との関係は、どのようになっていますか。
    • 【35】労働力の価値は、なぜ賃金形態をとるのですか。
    • 【36】「労働」の価格という捉え方には、どのような問題があるのですか。
    • 【37】「労働の対価」としての賃金には、どのような問題があるのですか。
    • 【38】時間賃金と出来高賃金は、どのようなものですか。
    • 【39】公正な労働にたいする公正な賃金要求は、いかにあるべきですか。
    • 【40】労働力商品の価値算定は、どのように行えばよいのですか。
  • 資本蓄積および再生産について
    • 【41】資本の有機的構成とは、どのようなものですか。
    • 【42】資本蓄積とは、どのようなものですか。
    • 【43】資本蓄積と資本の有機的構成とは、どのように結びつくのですか。
    • 【44】相対的過剰人口とは、どのようなものですか。
    • 【45】資本蓄積の一般的法則とは、どのようなものですか。
    • 【46】資本の再生産の考察によって、どのようなことがわかるのですか。
    • 【47】単純再生産とは、どのようなものですか。
    • 【48】拡大再生産とは、どのようなものですか。
    • 【49】再生産表式から、何がわかるのですか。
  • 利潤および利潤率について
    • 【50】剰余価値と利潤との関係は、どのようになっていますか。
    • 【51】利潤率は、どのようにして決まるのですか。
    • 【52】諸資本の部門間競争とは、どのようなものですか。
    • 【53】諸資本の部門内競争とは、どのようなものですか
    • 【54】部門間競争と部門内競争との関係は、どのようになっていますか。
    • 【55】一般的利潤率の傾向的低下の法則とは、どのようなものですか。
    • 【56】なぜ「傾向的」低下の法則なのですか。
    • 【57】利潤率の傾向的低下の法則から、どのようなことがわるのですか。
  • <[>商業資本、利子生み貨幣資本について
    • 【58】商業資本の役割は、何ですか。
    • 【59】商業利潤は、どのようにして生み出されるのですか。
    • 【60】利子生み貨幣資本とは、どのようなものですか。
    • 【61】機能資本と利子生み貨幣資本とは、どのような関係なのですか。
    • 【62】実体経済と架空・信用経済との関係は、どのようになっていますか。
  • <\>現代資本主義における諸問題について
    • 【63】現代資本主義は、どのように捉えられるのですか。
    • 【64】経済の金融化とは、どのようなものですか。
    • 【65】経済格差は、どのように捉えられるのですか。
    • 【66】世界金融危機は、どのように捉えられるのですか。
    • 【67】地域経済の活性化のために、何が必要ですか。
    • 【68】「働き方改革」は、どのように捉えられるのですか。
    • 【69】AIによって、社会はどのように変わるのですか。
  • <]>『資本論』の読み方について
    • 【70】『資本論』は、どのように読めばよいのですか。
  • 項目解説
  • あとがき

著者

鳥居伸好(とりい・のぶよし)

1955年,愛知県豊橋市生まれ
1979年,中央大学経済学部卒業
1989年,愛知大学大学院経済学研究科博士後期課程修了 経済学博士
1989年,横浜国立大学教育学部専任講師
1990年,横浜国立大学教育学部・大学院教育学研究科助教授
1998年,中央大学経済学部教授

主な著書
  • 『現代日本資本主義』(共編著)中央大学出版部,2007年
  • 『グローバリゼーションと日本資本主義』(共編著)中央大学出版部,2012年
  • 『現代資本主義と労働価値論』(共著)中央大学出版部,2000年
  • 『《学説史》から始める経済学』(共著)八朔社,2009年
  • 『グローバル資本主義の構造分析』(共著)中央大学出版部,2010年