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ファイナンシャリゼーション:金融化と金融機関行動   小倉将志郎著

ファイナンシャリゼーション:金融化と金融機関行動

金融化という現代資本主義の最新局面を、金融それ自体の発展・高度化・進化のプロセス、とりわけ金融機関の行動に焦点を当てて読み解く。
〈金融化アプローチ〉をバージョンアップ!

  • A5判/上製/272頁
  • ISBN978-4-905261-27-8
  • 本体3200円+税
  • 初刷:2016年3月31日

著者の言葉

本稿は、金融の影響力が拡大した現代の資本主義経済・社会を体系的に理解するためには、正確な現状認識と理論的解明が必要不可欠であることを強く認識し、その重要な手がかりとなりうる、政治経済学を中心とする社会科学の新しい分析視角としての金融化アプローチに着目した。そのうえで本稿は、独自の視点として、金融それ自体、なかでも金融機関行動に焦点を当て、それらの収益構造や業務・イノベーション、市場構造、権力行使などの内実に踏み込みながら、金融化の中核事象の歴史的展開を追うことを通じて、先行研究とは異なる視点から金融化を捉え直す、金融化アプローチを修正・補強することを試みた。

目次

  • 第1章  金融化とその諸現象
  • 第2章  金融機関の収益拡大と資金循環構造の変化:資産運用関連業務に着目して
  • 第3章  金融機関の収益拡大と投資銀行のM&A関連業務
  • 第4章  金融化と影の銀行システム
  • 第5章  2000年代の金融機関の収益拡大と大手金融機関のリスクテイク
  • 第6章  金融化とデリバティブ:二分法的理解の克服のための二つの視点
  • 第7章 米国金融規制改革法と大手金融機関の行動:ボルカー・ルールを中心に
  • 終 章 金融権力の発現形態としての金融化とその諸影響

著者

小倉将志郎(おぐら・しょうしろ)

1978年,埼玉県生まれ
2008年,一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位修得退学
(2014年,一橋大学大学院経済学研究科博士学位取得)
2008年,静岡大学人文学部経済学科准教授
現在:静岡大学人文社会科学部経済学科准教授、兼ロンドン大学東洋アフリカ研究院(SOAS)客員研究員(2016年まで)

著書
  • 共著:『図説 経済の論点』旬報社,2014年