- グローバル化経済の構図と矛盾 菊本義治・西山博幸・伊藤国彦・藤原忠毅・齋藤立滋・山口雅生・友野哲彦=著[執筆順]
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世界経済システムとしてのアメリカン・グローバリズム
その実態を<貿易決済メカニズム>と<利潤率決定要因>に着目して解明する現代資本主義論!- A5判/上製/212頁
- ISBN978-4-921190-70-5
- 本体2700円+税
- 発行
- 初刷:2011年4月1日
- 初刷:2012年4月1日
- 著者の言葉
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本書は、現在のグローバリズムはアメリカン・グローバリズムであり、それはアメリカの貿易赤字を基軸にした世界経済体制であるという観点から、次の点を分析の課題とした。
第1に、世界の貿易構造を分析するなかでアメリカの貿易赤字の実態と、その意味を明らかにする。そして、貿易赤字を決済するメカニズム、すなわち、ドルの国際通貨としての特権、資本収支黒字による決済、世界の資金のアメリカへの投入を分析する(第2、3章)。
第2に、現在の多国籍企業の特徴を明らかにし、その行動と世界経済への影響を分析する(第4章)。
第3に、金融経済の自立的運動の実態と、資産運用による利潤(キャピタル・ゲインをベースにした利潤)、そして金融の暴走について分析する(第5章)。
第4に、世界利潤(付加価値をベースにした利潤)を決定する要因が設備投資、財政赤字、勤労者貯蓄にあることを明らかにし、それぞれを分析する(第6、7、8章)。特に世界に高成長国がなければ世界資本主義体制は成立しないことを述べる。
第5に、成長を制約する要因として、環境問題や資源問題などが考えられる。本書では環境問題を取りあげる(第9章)。
第6に、経済のグローバル化がもたらす諸問題を述べて、その解決の方途を展望する(終章)。
- 目次
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第1章 グローバル化経済分析の課題(菊本義治)
- 経済のグローバル化
- アメリカの貿易赤字
- 貿易赤字を持続できるか
- 世界を駆ける多国籍企業
- 金融資本の暴走と金融危機
- 高成長国の存在
- 財政赤字による利潤維持の限界
- 国際的な労働市場
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成長制約要因としての環境問題
- 補論1 利潤の決定
- 補論2 剰余と余剰
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第2章 経済のグローバル化とアメリカの貿易赤字 (西山博幸)
- 国際分業体制の変化
- アメリカの貿易赤字
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アメリカ貿易収支はなぜ赤字になるのか?
- 補論 19世紀の自由貿易体制
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第3章 アメリカの赤字ファイナンスと金融グローバル化 (伊藤国彦)
- 貿易赤字のファイナンス
- 国際通貨提供国としてのアメリカ
- アメリカを軸とする国際資本移動の実態
- アメリカに環流する理由
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第4章 企業の多国籍化とグローバリゼーション (西山博幸)
- 多国籍企業と直接投資
- 直接投資の動向と経済効果
- 世界利潤とアメリカの多国籍企業
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第4章 企業の多国籍化とグローバリゼーション (伊藤国彦)
- アメリカン・世界金融システム
- 肥大化する金融
- 経済の金融化
- 金融の暴走
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第6章 経済のグローバル化と世界利潤 (藤原忠毅)
- 世界利潤をどのように増やすのか?
- 経済成長の推移とその要因
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世界の成長国・地域
- 補論 貿易乗数効果の波及プロセス
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第7章 グローバル化と財政への影響 (齋藤立滋)
- 財政赤字の限界とその経済的帰結
- 法人税率引下げの経済的帰結
- 財政支出削減の影響
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第8章 経済のグローバル化と労働市場 (山口雅生)
- 利潤と家計貯蓄と家計所得
- グローバル化と先進国の労働市場
- グローバル化と途上国の賃金
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労働政策
- 補論 計量モデルに用いたデータと固定効果モデル
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第9章 経済のグローバル化と環境問題 (友野哲彦)
- 成長制約としての環境問題
- 地球温暖化の現状と将来予測
- グローバルな協調の必要性と困難
- 技術進歩と経済成長
- 環境問題の解決に向けて
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終章 アメリカン・グローバリズムの展開 (菊本義治)
- アメリカン・グローバリズムの矛盾
- グローバル化と日本
- 平等互恵、平和、人類存続のグローバリズム
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第1章 グローバル化経済分析の課題(菊本義治)
- 著者(執筆順)
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- 菊本義治(きくもと・よしはる)1941年生まれ(兵庫県立大学名誉教授(理論経済学))
- 西山博幸(にしやま・ひろゆき)1969年生まれ(兵庫県立大学経済学部教授(国際経済学))
- 伊藤国彦(いとう・くにひこ)1961年生まれ(兵庫県立大学経済学部教授(国際金融論))
- 藤原忠毅(ふじわら・ただき)1972年生まれ(大阪経済大学経済学部准教授(国際経済学))
- 齋藤立滋(さいとう・りゅうじ)1972年生まれ(大阪産業大学経済学部准教授(社会保障論,福祉経済論))
- 山口雅生(やまぐち・まさお)1976年生まれ(大阪経済大学経済学部准教授(マクロ経済学))
- 友野哲彦(ともの・あきひこ)1966年生まれ(兵庫県立大学経済学部教授(環境経済学,地域経済論))