- 現代経済の分析視角:マルクス経済学のエッセンス 山田喜志夫著(跋 渡辺雅男)
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現代経済の核心的な諸問題の分析をとおして、マルクス経済学の真価を現実に向かって発揮する視点と方法を指し示す!
A5判/上製/216頁
ISBN978-4-921190-69-9
本体3200円+税
発行
初刷:2011年2月15日 - 著者の言葉
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本書の基本的視点は、現代の解明においてマルクス経済学は古くなったどころか、なお透徹した分析力を保持していることを述べることにある。大切なことは、マルクスを研究することよりマルクスの方法によって現実(現代)を研究することであろう。
- 目次
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- まえがき
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第T部 金・ドル体制・国際通貨国特権
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第1章 現代における金の意義:金廃貨論の検討
- 第1節 世界貨幣金の二重の運動および金の費用価格(産金コスト):問題提起
- 第2節 各国の流通部面の間を往復する世界貨幣金の運動(特殊的運動)
- 第3節 産金国から世界市場へ行きわたる金の運動(一般的運動)
- 第4節 産金国内における金の費用価格(産金コスト)
- むすび
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第2章 ドル体制下の日本:日本からアメリカへの富の移転
- はじめに
- 第1節 日米間の不等労働量交換
- 第2節 ドル建て対外債権の減価
- 第3節 低金利政策
- 第4節 ドルの特権による「横領」システム
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第3章 国際通貨国特権とアメリカの経常・資本取引:変動為替相場制下のドル
- はじめに
- 第1節 アメリカの経常取引における国際通貨国特権
- 第2節 アメリカの資本取引における国際通貨国特権
- むすび
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第1章 現代における金の意義:金廃貨論の検討
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第U部 経済のサービス化・社会資本論
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第4章 経済のサービス化とはなにか
- はじめに
- 第1節 「サービス」業とはなにか
- 第2節 経済の「サービス」化とはなにか
- 経済の 「サービス」化現象は何故生ずるのか
- むすび
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第5章 社会資本論
- 第1節 社会資本論の問題点:序にかえて
- 第2節 「社会資本」の素材的規定:生産と消費の一般的条件
- 第3節 「社会資本」の建設と管理運営
- 第4節 「社会資本」の利用形態
- 第5節 「社会資本」と土地資本:むすびにかえて
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第4章 経済のサービス化とはなにか
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第V部 近代経済学批判
- 第6章 近代経済学の特質
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第7章 経済成長論の限界
- 第1節 経済成長と商品資本の循環
- 第2節 商品資本循環の視角の一面的性格
- 第3節 国民所得概念の一面的性格
- 第4節 成長抑制論
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第8章 ケインズの管理通貨論
- 第1節 管理通貨論(国内的側面):インフレーション
- 第2節 管理通貨論(国際的側面):国際通貨危機
- あとがき
- 跋 渡辺雅男
- 索引
- 著者
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山田喜志夫(やまだ・きしお)
國學院大學名誉教授
著書
1930年,北海道に生まれる
1957年,北海道大学経済学部卒業
1962年,北海道大学大学院経済学研究科博士課程単位取得
1962年,國學院大學専任講師
1965年,國學院大學助教授
1971年,國學院大學教授
2000年,國學院大學退職- 『再生産と国民所得の理論』(評論者,1968年)
- 『現代インフレーション論』(大月書店,1977年)
- 『現代貨幣論:信用創造・ドル体制・為替相場』(青木書店,1999年)
- 『ドル体制とグローバリゼーション』(駿河台出版社,2008年)
- ほか
<跋執筆>
渡辺雅男(わたなべ・まさお) 一橋大学大学院社会学研究科教授