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ポリティカル・エコノミー:『資本論』から現代へ  一井 昭著
ポリティカル・エコノミー:『資本論』から現代へ

資本一般の理論,独占資本主義の理論,国家独占資本主義の理論のエッセンスを
体系的・簡潔に一書にまとめた現代マルクス経済学テキスト!

A5判/上製/172頁
ISBN978-4-921190-59-0
定価2100円(本体2000円+税)
発行
初刷:2009年6月10日
第2刷:2010年3月30日

著者の言葉

本書はマルクス経済学の立場から,『資本論』のエッセンスの叙述を基礎として,独占資本主義と国家独占資本主義(現代資本主義)の構造と法則を体系的に論述しようと試みたものである。

(「はじめに」より)

目次
  • まえがき
  • 凡例
  • 第1部 資本一般の理論(Theory of Caipal in General)
    1. はじめに--基礎概念
    2. 社会的生産様式と「広義の」経済学
    3. 資本主義的生産様式と「狭義の」経済学
    4. 「下向の途」と「上向の途」とその綜合
    5. 論理と歴史との対応関係
    6. マルクスの「経済学批判体系」プラン
    • 休憩室・現代資本主義分析のフレームワーク
    1. 商品の二要因と労働の二重性
    2. 商品の価値実体と価値の大きさ
    3. 貨幣の論理的導出
    4. 貨幣の機能
    5. 貨幣の資本への転化
    6. 労働力商品の特殊性
    7. 剰余価値の生産
    8. 労賃
    • 休憩室・現代日本の非正規雇用問題
    1. 資本の蓄積過程
    2. 資本の循環と回転
    3. 社会的総資本の再生産と流通
    4. 諸資本の競争と価値の生産価格への転化
    5. 利潤率の傾向的低下法則と生産諸力・生産諸関係の矛盾
    6. 価値法則のモディフィケーション--商業利潤,利子および地代
    7. 恐慌と景気循環─国家・外国貿易・世界市場
  • 第2部 独占資本主義の理論(Theory of Monopoly Capitalism)
    1. 独占資本主義論の理論的課題と歴史的対象
    2. 資本主義の発展と独占の形成--生産と資本の集積=集中と独占
    3. 独占資本主義の確立と市場機構の変容
    4. 独占利潤と独占的生産価格の形成
    5. 「自由競争」的価格と独占価格との関連
    6. 独占段階における平均利潤率
    7. 株式会社制度の普及
    8. 金融資本の定義
    9. 資本輸出と古典的帝国主義
  • 第3部 国家独占資本主義の理論(Theory of State Monopoly Capitalism)
    1. 資本主義の危機と国家独占資本主義
    2. 国家独占資本主義の定義
    3. 国家独占資本主義の機構と政策--機能の全体像の素描
    4. 戦後世界政治経済秩序の変遷--「パクス・アメリカーナ」をめぐって
    5. 資本輸出の現代的諸形態
    6. 国民経済と世界経済
    7. 国家独占資本主義の多様性と収斂性
    8. 国家独占資本主義の歴史的役割
  • いまを語る・「サブプライムローン」危機から世界恐慌へ
  • 補論 独占資本主義の理論--平瀬・白杉論争とその今日的意義
    1. はじめに
    2. 論争の概要
    3. 平瀬氏の独占理論体系
    4. 白杉氏の独占理論体系
    5. 独占価格・独占利潤の把握
    6. 平瀬・白杉論争の今日的意義
  • あとがき
  • 事項索引
著者
一井 昭(いちい・あきら)

1939年 京都市に生まれる。
1968年 立命館大学大学院経済学研究科博士課程退学(単位取得)。鹿児島県立短期大学商経科専任講師・助教授
1973年 中央大学経済学部助教授を経て,現在,中央大学経済学部教授。

著書
  • 『白杉庄一郎 価格の理論・景気循環論』(中央大学出版部,1989年)
共編著
  • 『現代資本主義と国民国家の変容』(中央大学出版部,2009年)
  • 『現代日本資本主義』(中央大学出版部,2007年)
  • 『私立大学の未来』(大月書店,2004年)