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高齢社会の医療・福祉経営-非営利事業の可能性  野村秀和編
高齢社会の医療・福祉経営-非営利事業の可能性

<安心と信頼><いのちの平等>の実現をめざして医療・福祉経営の新地平を拓く。

執筆者(執筆順)
  • 野村秀和(日本福祉大学大学院招聘教授・京都大学名誉教授(会計学・管理会計論))
  • 足立 浩(日本福祉大学福祉経営学部教授(管理会計論))
  • 高橋紘一(日本福祉大学福祉経営学部教授(社会保障論・福祉計画論))
  • 新谷 司(日本福祉大学福祉経営学部助教授(会計学))
  • 朝倉美江(金城学院大学現代文化学部教授(社会福祉学))
  • 橋本吉広 (地域と協同の研究センター理事・事務局長,日本福祉大学大学院情報・経営開発研究科博士後期課程)
  • 小川一八(鰹體医薬保健協働介護ショップらくだ勤務,日本福祉大学大学院情報・経営開発研究科博士後期課程後期)
  • 鍋谷州春(総合社会福祉研究所主任研究員,日本福祉大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程後)

四六判/上製/212頁
ISBN4-921190-29-1
本体2400円+税
発行
初刷:2005年3月31日

編者の言葉

本書の主題は、高齢化時代を迎えたわが国の医療・福祉経営が直面している課題を明らかにすることにある。

(中略)

今日、社会保障をめぐる制度見直しが相次ぐなか、国や自治体の財政力が急速に低下していることに影響され、医療・福祉の給付面での後退と保険料負担の増加が矢継ぎ早に打ち出されてきている。

このような事態のなかで、医療機関や福祉施設にとって、経営の課題がこれほど重要な位置を占めるようになったのは、まさに最近のことである。真面目に仕事をしていたら、「お金」はついてくるといった昔風の考え方は、もはや通用しないという厳しい時代に変わってしまったといってよいだろう。

地域の住民にとって、とくに高齢者にとって、医療・福祉の施設は、「いのちと暮らし」を守る地域拠点としての役割を果たしている。訪問看護や訪問介護の広がりのなかで、これらの施設は、地域にとって欠けがいのない存在となっているのである。

(中略)

高齢時代における患者やその家族、そして地域住民の不安に対し、「安心と信頼」を仕事のなかで広げることこそが、医療・福祉という仕事への誇りと経営の生き残りを生み出すことになる。

行政の果たすべき役割と責任についても、地域ニ―ズを土台に運動を強めなければならない。

本書は、現在の情勢の中で、医療・福祉経営が、統合システム(複合体)として生き残るだけでなく、地域での信頼を基礎に定着し、発展するための課題の提言でもある。

野村秀和

推薦の言葉

本書は、日本福祉大学21世紀COEプログラムの貴重な研究成果です。従来別個に論じられていた住民参加(協同組合)型医療・福祉論と医療・福祉施設の経営・マネジメント論とが見事に統合されています。現地調査と経営資料の詳細な分析を通して、「顔の見える」研究になっているのも魅力です。

二木 立(日本福祉大学教授)

目次
  • 刊行のことば
  • 第1章 ◎医療・福祉経営が直面する課題 (野村秀和)
  • 第2章 ◎「非営利・協同」の医業経営における管理会計活用の必要性と課題 (足立 浩)
  • 第3章 ◎現代的生活貧困と要介護高齢者の都道府県別中期予測 (高橋紘一)
  • 第4章 ◎特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の事業経営 (新谷 司)
  • 第5章 ◎協同組合福祉による生活支援 (朝倉美江)
  • 第6章 ◎協同組合における福祉経営の特質と課題 (橋本吉広)
  • 第7章 ◎保健・医療・福祉複合体のマネジメント (小川一八)
  • 第8章 ◎韓国の協同組合医療・福祉の現状と可能性 (鍋谷州春)